初の病院搬入前の外傷処置教育訓練コースであるInternational Trauma LifeSupport(ITLS)は、パラメディック(救急救命士)や救急医療関係者向けに1982年8月開始されました。アメリカ救急医学会アラバマ支部の地方プロジェクトとして始まりました。導入時のBTLSは、ATLS (AdvancedTrauma LifeSupport)に基づいて作られました。しかし、病院到着までの状況と病院での状況はまったく違うので、ITLSはATLSとさまざまな点で異なっています。 ITLSはアメリカ救急医学会と救急医協会(National Association of EMS Physicians) によって後援されています。ITLSは世界に広がり,現在、世界27カ国で正式コースが開催され、20カ国で支部が設立されています。 まさにITLSは単なる教育コースというだけではなく、病院前救護のインストラクターの国際的な組織となり、各支部の代表が国際会議で話し合うようになっています。組織の目的は、外傷処置訓練を世界規模で促進し、ITLSコースを最新でハイレベルなものに保つことです。
ITLSコースは迅速な観察・蘇生・固定・搬送に必要な処置を教えるように なっています。また、現場では安定化しえない状況と、そのような場合の迅速な搬送も強調しています。 このコースの第一の目的は、正しい観察、評価手順と、患者の緊急処置・ 固定方法を教えることにあります。 これらのことを迅速に効率的に行えるよ うな、十分な実践的な訓練がITLSコースでは経験できます。 ITLSを実践し、救急外来に患者を搬送することで救命のチャンスが最大限と なります。 ITLS JAPAN 事務局では、フロリダITLSの全面的な支援を受け、正式コース を開催いたしました。 2001年12月 ITLSインターナショナルの正式認可を受け 日本支部に正式昇格しました。 コースは16時間,朝8時30分頃から16時までで2日間開催されます。 座学半分、実技半分です。コース終了後筆記試験,実技試験があります。 筆記試験で76点以上、実技テストで大きなミスがないと合格します。 筆記試験で86点以上、実技テストで5段階評価の5だと インストラクターコースに進めます。 インストラクターコース受講後、実際に生徒を教えるのをモニターされ正式 なインストラクターになります。(コースの種類)Basic(基本)プロバイダーコース(1日コース)Advanced(応用)プロバイダーコース(2日コース)Pediatric(小児)プロバイダーコース(1日コース)Accessプロバイダーコース(1日コース)インストラクター養成コース(1日コース)Basicプロバイダーコースは、JPTECとして新たにスタートしています。 Advancedプロバイダーコースは、アメリカのパラメディックが受けている コース内容と全く同じです。 Pediatricプロバイダーコースは同様小児に特化したコースで、米国の内容と同じですが 文化の違いから、日本では模擬患者ダミーを使用します。 Accessプロバイダーコースは米国のファーストレスポンダーが交通事故救出に必要なスキルを他のコース同様にITLSの系 統だった観察を行い迅速且つ適切に対応するためのコースで複数の負傷者などを想定し実際の車両を破壊するなどしてよ り現実に近いコース構成をしています。いずれのコースも日本版として意識確認にJCSを使うなど、日本の現状にあわせた 内容になっております。
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PhD, MD, FACEP, FAEMS Alson 編著
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MBBS, FRCS, FRCEM K.Han 編著
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MD, FACEP J.E.Campbell 編著
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ITLS日本支部 監訳
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AB判 504頁(オールカラー)
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定価11,000円(税込)
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2021年9月発行
救急救命スタッフのための
ITLS 第4版
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R.L.Alson,W.B.Patterson 編著
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ITLS日本支部 翻訳・編集・監訳
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AB判 104頁
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定価4,180円(税込)
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2017年10月発行
救急救命スタッフのための
ITLS アクセス
車両事故における外傷受傷者
救出のプロトコール 第2版
救急救命スタッフのための
小児ITLS 第2版
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Dietrich, Shaner & Campbell 編著
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ITLS日本支部 監訳
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AB判 300頁
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定価4,180円(税込)
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2011年11月発行